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最高裁判所第二小法廷 昭和62年(あ)196号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一三〇〇日を本刑に算入する。

理由

弁護士舟木友比古、同江崎正行の上告趣意のうち、違憲をいう点は、いずれも原審において主張、判断を経ていない事項に関する違憲の主張であり、その余は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

なお、爆発物取締罰則一条及び三条所定の「人ノ身体ヲ害セントスルノ目的」があるというためには、人の身体を害するという結果の発生を未必的に認識し、認容することをもって足り、右結果の発生に対する確定的な認識又は意図は要しないものと解するのが相当であって、これと同旨の原判断は、正当である。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官香川保一 裁判官藤島昭 裁判官中島敏次郎 裁判官木崎良平)

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